週に一度または二度ほどレッスンをして心身統一を学んだとしても、教室を一歩出ると心身統一を忘れてしまうということでは、あまりにももったいないですね。
心身統一は合気道だけに活かすのではなく、日常生活に活かされなければ何の意味もありません。
自分の心と身体をうまくコントロールし、自分が本来持っている力を日常生活において最大限に発揮できて初めて意味をなすものとなります。
実務上におけるリラックス
PCのキーボードを使うとき
キーボードが作用するのは指先が当たるキーの部分にもかかわらず、多くの人は肩に力を入れて肘を張って入力することが多いです。余計な場所に力を入れてしまって必要以上に疲れてしまい、肩が凝ったり腱鞘炎になったりしてしまいます。
これはキーボードに限らず、美容師の方や施術師の方にも言えることですね。
以前、藤平光一先生が肩凝りのピアニストの方に対して「音が鳴るのは鍵盤を下に押したときでしょ。鍵盤を離す(上げる)ときには音は鳴らないのに、何故上げるときに力むの?」と言われていたことを思い出します。
肩の力を抜いて指先だけでキーボードを打つようにすれば肩も凝らず疲れにくくなります。
文字を書く
これもキーボードと同じですね。文字を書くのはペン先ですから肩や肘に力が入ってしまってはスグに疲れてしまいます。あとよくあることですが、文字を書いているときに背中を丸めて視線を斜めから覗きこみがちですよね。(私だけ?)そのような書き方をすれば文字も文もまっすぐにならず歪んでしまいます。
この場合も姿勢を正して肩の力を抜いて、ペン先だけで書くようにすれば肩も凝らず疲れにくくなります。
家事におけるリラックス
掃除をする
掃除機を使うにも、ついホース(操作部)を握ってしまっていないでしょうか。
これも他と同様、ノズルの先端から動くようにしておき、手元は握らず力を抜いた方が疲れず仕事がはかどります。
料理をする
料理には欠かせない包丁の持ち方です。肩ひじ張らず、包丁の重みを生かしながら力まずに切っていくと切れ味も良くなり疲れにくくなります。(包丁はきちんと研いでおいてくださいね)
対人関係におけるリラックス
相手の氣を受けない(魔法の壺)
誰にでも苦手は人、合わない人はいるものですよね。すべての人と仲良く楽しく接することが理想ですが、なかなかそういうわけにもいかず、相手と衝突してしまうこともあると思います。
そのときは「魔法の壺(臍下の一点)」に放り込んでしまい、相手の氣を受け付けないことですね。
「ガマン」はストレスを「溜めて」しまうことなので、いずれは爆発するときが来ますが、「一点に放り込む」のは溜めずに流してしまうということですから爆発することもないですよね。
実際はなかなか難しいですがこれも「氣の修行」ですね。
マイナスの言葉を使わずプラスの言葉を使う
発した氣は自分に跳ね返ってくるものなので、マイナスの言葉はマイナスとなって自分に跳ね返り、プラスの言葉はプラスとなって自分に返ってきます。できるだけマイナスの言葉や思いを使わず、プラスの氣を出すようにしたいものです。
気配りとリラックス
リラックスして心が鎮まっていると周りが見えてきます。波が静まった水面と同じですね。
周りが見えてくると今自分が何をするべきかが分かってきます。
その昔、鈴木健二さんが書かれた「気くばりのすすめ (〔正〕)」という本がヒットしましたが、そのとき藤平光一先生は「いちいち周りに気を配っていては疲れてしまうだろう。心を鎮めていれば今何をするべきかが分かるものだ」と言われていたことを思い出します。
心を鎮めて街を歩いていると、雰囲気が良くなさそうな場所だと感じることがあります。その場合は早々にその場所を離れるようにしています。
余計なトラブルに巻き込まれてはかないませんからね。これも「争わざるの理」です。
このように心を鎮めてリラックスすることを日常生活に活かすことができます。
この書籍が参考になると思います。もしご興味がありましたらお読みください。