合気道のほとんどは呼吸投げ

合気道の技の中に「呼吸投げ」というものがあります。

と言いますか、心身統一合氣道においてはほとんどの技が呼吸投げです

呼吸投げとはリズムに沿ってちょうどいいタイミング投げる技です。

相手が下に下がりたければ下げてあげ、上に上がりたければ上げるように導いていきます。

決して邪魔はしません。ポイントはやはりリズムです。

バウンドするボールのリズム

地面を弾むボールのように、突いては上がり上がってくれば突く、というようにリズムに沿うことが大事です。
リズムが狂うとボールもうまく弾んでくれません。

地面から勢いよく跳ね上がろうとしているタイミングでボールを突き落とそうとするとぶつかってしまい、リズムを崩したボールはあらぬ方向へ転がっていきます。それにムダなチカラも使ってしまいます。

跳ね上がり切ったあと地面に落ちていくタイミングに合わせてボールを突くと、ぶつからずにボールは地面を突きます。このリズムだといつまでも突き続けることができます。余分なチカラも要りません。

呼吸投げの例

このリズムに沿って投げる技の例を挙げてみましょう。

相手が自分を突いてくるとき、上の方から下へ落とすように方向を変えてみます。


すると相手の腕は弾むボールのように一瞬下がったあと上がろうとします。
そのタイミングでいっしょに上げてあげます。


上がった腕は再び下がろうとします。そのタイミングで下へ下げてあげます。


相手は前へ転がっていきます。

これが呼吸投げです。

ちなみにこの技の名前は
「胸突き呼吸投げ(前方投げ)」
といいます。

続けて観るとこんな感じです。

このようにリズムに沿ってタイミングをみて投げることで相手とぶつからず、また最小の力で投げることができるのがこの呼吸投げの特長です。
リズムが合えば合うほど技の威力も増していきます。

心身統一合氣道は経済学?

ちなみに心身統一合氣道の創始者である藤平光一師は慶應義塾大学の経済学部をご卒業されています。

先生が云われるには
「私は最小の資金で最大の利益を得る経済学を学んだが、今は最小の力で最大の効果を発揮する心身統一合氣道に生かしているんだよ」

とおっしゃっていたのを思い出します。

まさにこの呼吸投げは「最小の力で最大の効果を発揮する」技です。

合気道に腕力は必要ないと云われるのも理解できますね。

また、藤平先生はこうも云われています。
「砂糖の甘さをどれほど説明しても理解してもらうことは難しい。
一度舐めてもらうことが一番だ。」

まずは体験してみてください。そして心身統一合氣道を直に実感してみましょう!
あなたの腕力が強くなくても合気道で腕力以上のチカラを発揮できますよ。