心身統一合氣道のお稽古の一つに「呼吸動作」というものがあります。
相手と向かい合って正座をし、一人が差し出した両手を相手が握り、握った相手を倒すというものです。
「相手を倒してやろう」という争いの心を持っていると相手とぶつかってしまいます。
相手にも争いの心が伝わり、相手も同じように争いの心を持てば反発しあいます。
相手の心が鎮まっていれば、相手は争いの心を受けることがないので、その心はそのまま自分に跳ね返ってきます。
どちらにせよ相手を倒すことはできません。
でも相手と一体となって
「相手は私とお友達。一緒に動きましょう」
という思いで動くとぶつかることなく倒れます。
不思議ですね。
争いの心には争いしかないので、相手と交流することができません。
心を鎮めて相手と交流することで相手と一体となることができます。
この原理は、以前NHKの「助けて!きわめびと」でも紹介されました。
女性の芸人トリオの「ぷらんくしょん」さんは、いつもケンカが絶えないくらい仲が良くなかったそうです。そこでこの「呼吸動作」で心を鎮め、相手を思いやることを学んだそうです。
詳しくは「合気道に学ぶ争わない”チカラ”」をご覧ください。
心身統一合氣道は、相手の心を知って尊びます。相手に反抗したりぶつけたりしません。
反抗したりぶつけたりすると相手も反発して動いてくれません。
相手の心と身体を尊んで導いていくのです。尊びつつ相手を導くことで相手も気持ちよく動いてくれます。
ぶつからないので余分な力は必要ありません。
一見すると馴れ合いに見えるかもしれませんが、心は大きく動いているのです。